地図をデータベース化するにあたり、手動作業による多大な労力を軽減させるために自動的処理の必要が生まれた。地図の道路情報を、ノードとエッジからなるネットワークの状態で表現することがその処理内容となる。また、近年における高速化需要を受け、その並列化処理が進められてきた。これを並列地図認識処理と呼ぶ。
本稿の内容は、その並列地図認識処理においてその精度・速度向上のための手法を示すものである。
市街地地図には、地名や道路名を示す文字などの道路以外の情報が存在する。まず、その文字情報に注目し文字領域を抽出する。その文字領域情報により、分断された道路情報を復元することで精度を向上させた道路情報を抽出する。また、文字領域による判断を優先的に行うことで余分な処理を省き、並列処理における速度向上を目指す。