本論文では、人物画像から画像中における脚の位置を推定する 手法について述べる。 人物姿勢の推定は、アミューズメントやセキュリティ等、 様々な分野への応用が考えられるため従来から広く研究されている。 特に画像情報を用いた姿勢推定法は、被験者への負担が少なく、動きを妨げ ないという利点があり、その有用性に注目が集まっている。 姿勢推定では前処理において、画像から背景差分等を用いた 人物領域の切り出しが必要となる。 しかし、一般的な場面への適用を考えた場合、背景変化が生じるため 人物領域の切り出しは困難となる。
そこで本研究では、人物領域抽出前画像からの姿勢推定を目的とする。 その予備的検討として、人体パーツの一つである脚を対象した手法について述べ る。 まず脚の輪郭が平行な2本の線分で近似できると仮定し、 エッジ画像から平行な線分を抽出する。 抽出された平行線の中から、股付近で両脚間の距離が小、両脚はほぼ同じ太さ、 等の脚構造に関する知識を用いて脚となる組を求め、 その位置を推定する。 本手法を実画像に適用した結果、良好に推定できることが確認された。