近年、音声対話インタフェースの研究開発の進展に伴い、
音声認識や言語解釈技術が高度化し、自然な音声入力が可能になりつつある。
しかし、自然な対話を成立させるためには、これだけでは十分ではなく、
単調な対話を避けるためのバリエーションに富んだ話し方や、
間を埋めるための発話等が必要になる。
本論文では、音声対話インタフェースを備えた情報検索システムを対象とし、
検索中に発生する間を埋めるために、任意の発話継続時間で多様な発話を生成する手
法を提案する。
本手法では、現在の検索対象に関する知識を、対話事例から抽出した発話生成
ルールに適用してさまざまな応答文候補を作成する。
さらに、各発話生成ルールにコストを割り当て、過去の発話と同様な
応答が繰り返されることを回避し、指定された任意の時間で発話できる応答文を決定
する。
また、本手法を用いて、レストラン情報検索をタスクとするプロトタイプシステムを
実装した。
本システムは、8種類の検索入力に対し、47のルールから173通りの応答を生成でき
る。
言い回しの変化や省略等を用いることにより、各応答に対してさらに十数通りのバリ
エーション
を与えることが可能となる。