OBDD(Ordered Binary Decision Diagram)は論理関数の効率的な表現を可能に するものであり、論理回路の計算機援用設計を中心に広く用いられている。OBDDの サイズすなわち節点数が小さければ、その表現や操作の効率も良くなる。OBDD のサイズは変数順序に強く依存するため、サイズを小さくするよい変数 順序を見つけることは重要な問題である。本論文では、OBDDのための従来とは 異なる変数順序付け手法を提案する。提案する手法は、回路構造に着目して多 出力関数の変数順序を決定する発見的手法である。本手法では、幅優先探索に 基づいて、多出力関数を構成する全出力関数に対して同時に、変数の重要性と 局所計算性を考慮しながら、変数順序の決定を行う。その結果、いくつかの回 路に対してより小さなサイズのOBDDの構築に成功した。