氏名: 仁井本将司 (089731280)

論文題目: 三次元濃淡画像の操作手法の開発と、その手術シミュレーションへの応用


論文概要

本研究では、手術シミュレーションの一つとして、三次元濃淡画像からボリュームレ ンダリング法を用いて対象物を切り開いた画像を生成し、内部を観察する切開シミュ レーションをリアルタイムに行う手法を提案する。

現在、コンピューターによる医療支援として様々なことが行われているが、その一つ に手術シミュレーションがある。人体の変形は弾性を伴い、これを再現するには複雑 な計算を必要とするため、手術シミュレーションをリアルタイムに行うには適さな い。そこで本手法では、物体の変形を行わず、レイキャスティングにおいてレイの開 始点と追跡方向を変更することで、リアルタイムでの切開シミュレーションを実現す る。具体的には、まず切り開かれた部分の形状を定義し、レイがこの形状を通過する 位置とその方向を求める。これを元に新たなレイの追跡開始点と追跡方向を求め、対 象物に適用することで、切り開かれた形状においてのレイキャスティングを切り開く 前の物体で近似して、切開像を得ることができる。

この方法は、実際の変形を考慮しないので本当の切開とは異なるが、複雑な計算を必 要としないためリアルタイムでの実行が可能である。


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提出時刻:2001/02/09 16:12:43