本研究では，複数の医用CTスライス像診断支援モジュールを 統合し，一つのGUIで扱うための枠組みを提案する．
現在開発されているCADシステム(Computer Aided Diagnosis System) はそれぞれ独立しており，統合的に扱える枠組みはできていな い．しかし，多くのCADシステムにおいて入力はCTスライス像 である．この点に注目し，CADシステムのの枠組みをつくり， それに沿ってシステムの作成，プラグイン化を行うことにより ，一つのGUIに複数の処理を統合することができる．
そこで，統合的GUIに組み込むプラグインのテンプレートと して頭部血管領域からの動脈瘤検出システムを実装する．頭部 血管領域からの動脈瘤の抽出手法を以下に示す．閾値処理等に より血管領域を取り出し，血管を細線化し芯線を求める．そし て芯線上の各点において血管領域の断面積を測定し，その値が 急激に増加している部分を動脈瘤の疑いがある部分とする．プ ラグイン化することにより、このシステムは統合的GUIから入 力画像を受け取って動脈瘤検出の処理を行い動脈瘤領域を示し た画像を返す．
このように，枠組みに沿ってプラグインを実装していくこと により，ユーザにとってのインターフェースが一本化され，そ こから複数の処理が行えるようになり、医師が使いやすい統合 的GUIが実現できると考えられる．