氏名: 湊 恵一 (089731778)

論文題目: 有限状態オートマトンを用いた自然言語構文解析に関する研究


論文概要

本論文では,有限状態オートマトンを用いた自然言語の漸進的構文解析手法を提 案する.まず,文脈自由文法を有限状態オートマトンに近似変換する方法について述 べる.本変換手法は,文脈自由文法のネットワーク表現である再帰遷移ネットワーク の各ネットワークを利用して1つのオートマトンを作り上げる.すなわち,文脈自由 文法の開始記号に対するネットワークについて,各状態遷移を他のネットワークで一 定の深さまで再帰的に置き換えることによって実現する.また,解析時における構文 木の生成のために,置き換え時にオートマトンの状態遷移に対して範疇や品詞に関す る構文情報の出力を割り当てる.次に,有限状態オートマトンを用いた漸進的構文解 析について述べる.単語入力に対して有限状態オートマトン上を状態遷移し,割り当 てられた構文情報を出力する.解析途中の段階で,それまでに出力された構文情報を 参照することにより構文木を生成する.本手法では,有限状態オートマトン上の状態 遷移のみで構文木を生成可能なため,漸進的構文解析の高速化が期待できる.


目次に戻る


提出時刻:2001/02/09 17:14:49