計算機によって診断支援を行う場合、対象とするＣＴ像が肺野のどの部分に対応する かを計算機が自動的に認識することにより、肺腫瘤の良悪性鑑別のための特徴量を適 切に選択できる。本研究では、ＣＴ像の各スライスに写った肺野内の構造を定量的に 表すための特徴量を複数計算し、これらを用いてスライス位置の推定を行う。
まず肺野全体が撮影されているＣＴ像の各スライスで上記の特徴量を計算し、これを モデルとする。次に撮影範囲が限定して撮影されているＣＴ像に対して同様に特徴量 を計算し、モデルとの特徴量の差が最小となる位置を推定位置とする。
本手法を10〜60スライスのＣＴ像に対して適用した結果、概ね正確な推定が行えた。