近年、ITSの進展によりカーナビ等の高度な情報システムが車内で利用可能となりつつある。
走行車内での道案内や店情報検索などを行うナビゲーションシステムにおいては、
ドライバーは両手が自由にならないことから、話し言葉インタフェースの実現が求められている。
ドライバーが利用する話し言葉インタフェースには、通常の話し言葉インタフェースとは異なり、
安全性の面から、ドライバーの状況を認識し、それに対応する動作が求められる。
また、ドライバーの意図を正しく理解するため、実環境での発話現象の調査が必要不可欠である。
本研究では、車内音声データベースを対象として、
車の速度やハンドル操作などの運転状況の変化による走行車内の音声対話の特徴を調査・分析した。
本研究により、走行中のドライバーの発話は停止中と比べて大きく変化がないことが確認された。
しかし、走行中は発話長が短くなり、「はい」等の単純な応答が多くなるため、
システム発話としては、単純な問いかけが望まれることが予想される。