プログラム内のクリティカル・パスは、実行時間の下限を決定している。
非常に高い確率でクリティカル・パスとなる命令の一つとして、データ・
キャッシュ・ミスを引き起こすロード命令がある。データ・キャッシュ・
ミスを引き起こすロード命令を予測し、このロード命令に対して値予測を
適用すれば、クリティカル・パスを短縮できる。
本論文では、データ・キャッシュ・ミス予測を値予測に利用する機構を提
案する。
SPECint95ベンチマークを用いた評価の結果、データ・キャッシュ・ミスを
用いた値予測器は最終値予測において、最大5.23%、平均0.56%IPCを改善する
ことができた。
しかし、使用したデータ・キャッシュ・ミス予測器の精度が低く、クリテ
ィカル・パスをより短縮するためには、予測器の改良が必要であることが
わかった。