氏名: 鈴木 亮 (289934133)

論文題目: 位置計測とデータ通信を同時におこなう人工衛星ドッキング用システム


論文概要

1998年11月、国際宇宙ステーション(ISS)の建設が始まった。宇宙開発をおこなうにあたって、ISSのように大規模な宇宙構造物は1度に打ち上げることが困難であるため、軌道上での建設や、輸送機による物資の補給をおこなわなければならない。これらのサービスをおこなうためには、軌道上の宇宙機に接近し、結合するランデブ・ドッキング(RVD)技術、ことに人間の操縦を必要としない自動・自律RVD技術が不可欠である。

一方、当研究グループは、発光素子と撮像素子を用いて、位置計測とデータ通信を同時におこなうシステムの研究開発をおこなっている。このシステムは電波の利用が制限される環境でも使用でき、かつ通信と位置計測の装置を統合できるという利点を持つ。したがって、このシステムをRVDに応用すれば、従来は電波でおこなわれていたデータ通信を位置計測用の装置で実現できる。また、相手衛星の姿勢情報を得ることができるだけでなく、データ通信によって相手衛星の他の物理量(速度、加速度など)や制御指令の伝送もおこなうことができる。そのため迅速で精度の高いドッキングが可能になると思われる。

そこで本研究では、データ通信と位置計測を同時におこなう人工衛星ドッキングシステムを提案し、人工衛星に見たてたロボットを使った実験において、システムの有効性について評価したので報告する。


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提出時刻:2001/02/08 21:35:22