氏名: 吉岡 政洋 (289934346)

論文題目: 複数台PCによる大規模・高速ボリュームレンダリング手法に関する検討


論文概要

本論文では、複数台PCによる大規模・高速ボリュームレンダリングの実装について述べる。近年、X線CT像などの3次元濃淡画像を可視化する手法としてボリュームレンダリングが普及している。ボリュームレンダリングは3次元画像(ボリューム画像)の各サンプル点に対して与える不透明度、および色情報から3次元画像を可視化する方法で、臓器などの表面形状のみならず、壁面下内部まで正確に可視化することが可能である。しかし、ボリュームレンダリングはボリューム画像の全要素を計算の対象とするため、膨大な量の計算を行う必要があり、レンダリング処理に多大な時間を要するといった問題がある。
現在では、CPUの処理速度が劇的に向上し単価も非常に低くなったため、誰でも高い処理能力のPCが利用できるような環境になった。また、近年のCPUが備えるマルチメディア処理命令を利用することで処理パフォーマンスを向上させることが可能となった。
そこで本論文では、高速かつ安価なPCを複数台利用することで高速なボリュームレンダリングを可能にする並列化手法の実装について述べる。この並列化手法は投影面を画素単位で分割し、複数台のPCがそれぞれ割り当てられた投影面上の画素のみに対してレンダリングを行い処理時間を短縮させるものである。また、各PCへの計算量を同一にするため、各PCの処理時間に応じた投影面の分割・割り当て手法を提案する。さらにマルチメディア処理命令を利用し、プログラムの最適化も行う。本手法を実際のX線CT像に対して適用した結果、処理速度の向上が確認された。


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提出時刻:2001/02/05 12:21:40