本研究は凸包の概念を拡張したα-hullを3次元デジタル空間において検討したもの
である。
計算幾何学の分野において凸包は点集合の基本的な概念の1つである。その凸包の
概念を拡張した
1例としてαをパラメータとするα-hullが存在する。これを3次元デジタル画像上の
連結成分に適応
できるように拡張したものが3次元拡張デジタルα-hull(以下EDα-hull)である。こ
の3次元EDα-hull
は、点集合の空洞や穴をも表現できるため点集合の形状解析への応用が期待される。
しかしながら、
現在に至るまで3次元EDα-hullは報告されていない。
そこで本報告では、3次元EDα-hullが2次元の場合と同様に距離変換の組み合わせ
で
求めることができ
ることを証明する。また、αを変化させた時の3次元EDα-hullの連結成分数、空洞
数、穴数を調べるこ
とにより、空間中にまばらに存在する点群から元の図形のトポロジカルな性質を推定
するための手法を
述べる。