氏名: 岡宏樹 (089830377)

論文題目: 胃の仮想展開のための腹部X線CT像からの胃壁の抽出


論文概要

 本研究では、3次元腹部X線CT像から胃壁領域を抽出する手法を提案する。

 3次元CT像を利用した診断支援システムにおいて、、胃のような管腔臓器の内部を 仮想化内視鏡等を使って 観察する場合、何度も視点位置や視線方向の変更が必要となり非常に手間がかかる。 そこで、臓器 を仮想的に切り開き、内壁面全体を一度に観察可能な仮想臓器展開像を作成する研究 が行われている。この研究では胃の内部の空気領域を抽出し、その大まかな形状を表 した図形を基にして展開を行っている。胃の抽出における従来手法では、他臓 器との接触箇所が多数存在する胃の外壁面を抽出することは困難であるため、 胃の内部の空気領域を抽出することにより得られる内壁面を展開の基準面としてい た。しかし、胃の内壁面にはひだ の影響で凹凸があり、展開を行う基準面としては多くの問題点があった。

 そこで本研究では、接触箇所の外壁面をおおまかに推定し、胃壁領域を抽出する手 法の開発を行った。
 胃壁領域を抽出することで比較的形状が滑らかな胃の外壁面を展開基準面 として利用でき、より歪みの少ない展開像が作成できると考えられる。また、胃壁領 域を利用した新たな展開法の検討も可能である。


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提出時刻:2002/02/06 18:51:00