氏名: 川角健太 (089830610)

論文題目: 二脚受動歩行機械を用いた身体系と制御系の相互作用に関する研究


論文概要

 ロボットの歩行運動は,身体系,制御系,そして環境間の相互作用ダイナミクスによって発現する と考えられている.そこで本研究では,ロボットの身体系(機械系)のダイナミクス(力学的特性)が 制御器構築に及ぼす影響に関して調べた.

 はじめに,二脚歩行ロボットの身体として,アクチュエータを用いなくとも,重 力や慣性力を巧みに活用することで勾配を歩き下る,「受動歩行機械」を進化的計 算手法により構築した.

 次に,構築した受動歩行機械に動力を与えることによって,平地歩行を実現した. この際の制御器として,CPG(Central Pattern Generator,中央パターン発生器)を モデル化したものを使用した.CPGとは,生物の周期的な運動を生成すると考えら れている神経回路である.

 シミュレーションの結果,エネルギー消費の少ない歩行 を発現させるためには,制御器の周期が歩行機械の固有周期と同期することが必要 であることがわかり,身体系,制御系,環境間の相互作用ダイナミクスが歩行発現 に及ぼす影響を確認した.


受動歩行の軌跡(右脚)


受動歩行の軌跡(左脚)


目次に戻る


提出時刻:2002/02/08 21:27:23