機能メモリは、通常のメモリに簡単な論理機能を付加したものであり、極めて 高い並列度をもつ並列計算機構と考えることができる。従って、画像処理のよ うにデータ量は膨大であるが、それぞれの演算が単純なものに有効であると考 えられる。ここでの演算を高速に実現するために、機能メモリ上での算術演算 アルゴリズムの研究が行われている。本研究では、機能メモリの外部から与え るデータと、メモリ内の各ワード中のデータとの乗算を行うアルゴリズムで、 Boothアルゴリズムを適用して、外部から与えるデータの表現を先に変換して おくアルゴリズムを提案する。また、乗算過程での中間結果の符号を 機能メモリの外部で記憶するように改良したアルゴリズムを提案する。 提案したアルゴリズムを評価したところ高速化が実現できた。除算については扱うデータを整数に限定し、メモリ内の各ワード中の2つのデータの商と剰余を 求める演算を、回復型除算法を用いて実現するアルゴリズムを提案する。