現在の地理情報システムは使用される目的に特化したデータ構造を
なしており、同じ地物であってもそれぞれ独立したシステムの中で
全く別の情報として管理されるという問題点がある。
そこで我々はこの問題を解決するため、多相ピラミッド形状情報モデルを
提案している。
本論文では、この情報モデルにおける地図オブジェクトの時間情報
の管理手法を提案する。地図データは時間の経過に対して変化が少なく、
また現在のデータの利用頻度が最も高いという特徴がある。
このため各地図オブジェクトは、現在のデータを中心に管理しながら、
過去の変化履歴情報をその時間とともに保持し、必要に応じてデータを
復元すべきである。
地図オブジェクトが我々の提案するモデルの中でどのような時間変化を
生じうるのか分析し、その特徴に合わせた履歴情報の表現を提案する。