近年、世界のボーダレス化が進み、多言語間機械翻訳に対する需要が一段と高まりつつある。日本語と英語など、特定言語間の翻訳については、実用化レベルに近づきつ つあるものの、それ以外の言語間翻訳については依然として今後の課題となっている。そこで、本論文では、比較的研究が進んでいる言語間の翻訳技術を活用した多言語 翻訳の一方式として、多段変換に基づく手法を提案する。また、本手法の応用例として、日本語からマレー語への機械翻訳を実現した。システムは、既存のソフトウェア を用いた日-英翻訳と構文変換に基づく英-マ翻訳の2段階から構成される。プロトタイプシステムを用いた翻訳実験の結果、多段変換の利用可能性を確認した。