氏名: 日高 隆博 (489934056)

論文題目: Webアプリケーション設計ドキュメントの記述方法


論文概要

Webアプリケーションは、扱うデータの内容や目的は異なっていても、 データベースへの登録と参照など、典型的な処理の組み合わせで構成されている ことがほとんどである。 実装的な側面から見ても、多数の小さな処理の集合として アプリケーションが構築される傾向が強く、アプリケーションサーバを用いて 画面設計とロジックを分離する技術が利用されるようになってきたために、 多数の開発者で短期間にアプリケーションを記述するというスタイルでの開発が 行われることが多い。

このような開発では、開発サイクルが短く、仕様変更の機会も多いため、 開発者間の意志伝達がこれまで以上に重要になる。

本研究では、Webアプリケーション設計時に利用するための定式化された ドキュメント記法を提案する。この記法によって、意志伝達の円滑化、 設計仕様の正当性チェック、実装との整合性チェックを行うことを 目的としている。

UML/XMLをベースとしたこの記法に従ってドキュメントを記述することに よって、意志伝達を円滑に行えるようになり、仕様変更などの場合でも柔軟に 対応できるようになる。また、本研究の記法を用いることで、設計仕様自身、 および実装との正当性をチェックするために、単に画面遷移について 記述するのみにとどまらず、サーバで管理するデータベースもオブジェクトとして 扱い、そのデータに基づいた画面遷移ロジックについても記述することができる。

さらに、本研究ではWebアプリケーションの画面遷移のパターンを分析し、 それに基づいた記述やチェックを行うことができるようにした。 これによって、設計段階での問題を回避、あるいは早期に発見することができ、 典型的なWeb+DBアプリケーションの記述を容易に行うことができる。

このような、記述方法が定式化されていて、かつ正当性が確認されている ドキュメントは保守作業の際に非常に有用である。 さらに、定式化されたドキュメントを記述することで実装との関連を 管理することが容易になり、保守作業における重要な資料として 活用できるようにすることを目指す。


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提出時刻:2002/02/08 16:32:43