氏名: 高岡秀行 (280034180)

論文題目: ウェーブレットによる拡大画像の強調に関する研究


論文概要

画像拡大は医療分野や航空写真など様々な分野で利用されている. 拡大手法としては補間によるものが主で, スプライン解析や バイキュービックを用いる方法など, 色々な手法が提案されている. 一般に, 画像を拡大するとエッジがぼやけてしまうため, エッジ強調 を施す必要が生じる. エッジ強調も考慮した拡大手法としてワープ距離による 方法などが提案されている. しかし, 斜めエッジ 上に生じた凹凸が激しくなるなどの問題が生じる. こうした点を踏まえ, 本研究では 新たに拡大画像の強調法を提案し, 実験で強調精度や実行時間 を調べる.

本研究で提案する強調法は, ウェーブレット法と比距離係数法 である.

ウェーブレット法はウェーブレット解析を利用した強調法である. ウェーブレット解析は入力信号 (画像) を高周波成分と低周波成分に分解する. 高周波成分は対角成分 (HH), 水平成分 (HL), そして 垂直成分 (LH) からなる. 低周波成分 (LL) は入力信号 をサンプリングしたものである. エッジ, またはコントラストに影響する係数は高周波成分に現れる. そのため, 高周波成分を数値処理し画像強調を試みた.

比距離係数法は, まず拡大画像のエッジ抽出を行い, 各画素からエッジまでの距離を利用 して, 拡大により拡がったエッジ幅を狭める方法である.

実験結果として, ウェーブレット法では全体的な画質 の荒れが目立つ. また, 比距離係数法ではエッジが強調されすぎる 恐れが生じる.


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提出時刻:2002/02/04 15:59:30