氏名: 田中裕二 (280034199)

論文題目: 円弧で構成された領域におけるポアソン方程式の高精度解法


論文概要

工学上の実際的な問題として、Poisson方程式が定義される領域は単純な領域ばかりとは 限らない。むしろ直線、曲線、円弧などにより複合的に表される場合がほとんどである。 従来、そのような複雑な領域での解を求めるためには有限要素法と呼ばれる方法を用いら れてきた。しかしこの方法は比較的、低精度である。それで、本研究ではそのような領域 のうち、特に円弧によって構成された領域におけるPoiasson方程式の高精度解法について 考えた。 解法の主軸となるのは、問題を扱いやすくするための領域変換、Galerkin法と呼ばれる偏 微分方程式の解法、及びSchwarzの交代法である。 領域変換では、問題領域から二つの円弧で構成される複数の小領域を抜き出すことを考え る。それらの小領域群の和集合は問題領域となっていなければならない。それぞれの小領 域について等角写像による変数変換を行い、扱いやすい二次元平面上の帯領域へと問題を 移行させる。加えて、さらに変数変換を施すことで、後に行うGalerkin法の誤差精度を向 上させる。 Galerkin法では、Sinc関数とlegendre関数を基底として用いる。これにより、各々の帯領 域について偏微分方程式を解く。 小領域の問題は人工境界の境界条件を仮設することで解くことができる。その際、隣り合 う領域との間で一般には矛盾が生じる。しかし、境界条件を隣り合う領域から獲得し、Sc hwarz交代法と呼ばれる反復法により矛盾を解消することができる。


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提出時刻:2002/02/08 14:32:19