近年、設備業界においても業務の効率化が望まれてきている。その中で、機械室の設備図作成の現場においても、作業の効率化が望まれている。設備図は、部屋の形、大きさや配置機器の種類、個数、大きさなどを基に、経済性、保守性や見栄えなどを総合的に考慮して作成しなければならない。現在、設備図は技術者の手によって作成されており、その負担は大きく、作成時間の削減が望まれる。また、作成された設備図は技術者の経験や能力に依存するところが大きく、品質の均一化が望まれる。
そこで、我々はこの負担を軽減し、品質を均一化するため、設備図作成支援システムの実現を目指す。本研究では設備図作成支援システムの重要な機能の一つである配管経路決定について、決定エンジンを提案する。
技術者が実際に配管経路を考える際に着目する個所を基に、提案システムでは配管可能領域の絞り込み、配管束の決定、他の管との干渉回避を行い、配管経路を決定する。さらに、配管経路を考慮した機器配置決定についても考察し、配管経路を考慮した場合と配管経路を考慮せずに機器配置を決定した場合を比較する。機器配置の時に配管経路を考慮した場合、配管の交差数が少ない設備図を作成できることを示す。