時間発展する確率過程を微分表現した確率微分方程式は応用数理において重視されている。 一般にSDEの初期値問題に対して、解析解が求まることは少なく、方程式は非線形な場合が 多いので、常微分方程式の場合と同様に数値解法が必要になる。 本論文では、確率動力学、具体的には確率微分方程式の数値解法のうちEuler-Maruyama scheme,1.5-order strong Taylor scheme の2つの数値スキームを用い、 Bonhoeffer-Van der Pol 方程式における拡散項に含まれるノイズの強度と極限閉軌道 との関係、Duffing-Van der Pol方程式におけるノイズの強度と解の収束性の関係を 数値的に調査し、その過程を通じて確立微分方程式の理解を深めようというものである。