半導体メモリに簡単な論理機能を付加した機能メモリは、メモリ内の膨大なデー タを並列に処理できる超並列計算機構として考えることができる。
VLSIレイアウト設計、コンピュータグラフィックス、地理情報処理、ロボティッ クス、パターン認識、統計処理など種々の分野で現われる幾何構造に関する問 題を扱う計算幾何学の領域では、データ量は極めて大きいがそれぞれの演算は 単純なものになることがしばしばである。そのため、機能メモリの適用により 大幅なスループットの向上が期待できる。
本論文では、その計算幾何学のなかでもっとも基本的な問題である凸包問題を、 機能メモリを用いて効率的に計算、更新していく手法を提案する。