本研究では、従来大型計算機上にあった肺がん検出システムの中の、肺輪郭線抽出
手順のアルゴリズムの改良を行なった。
本手順は Deformable model を用いて輪郭線の抽出を行なう。これは制御点と
その隣接点間に張られた辺で構成される多角形で、これをある評価関数を設けて
その関数の値を最小化するように逐次的に変化させて、目的の輪郭線を抽出する
ものである。具体的にはその評価関数の改良を行なった。
従来はこの評価関数に用いる重み係数を手動で入力、また、形状モデルの
パラメータのサンプル図形間の標準偏差を用いて自動的に決定していたが、今回は
サンプル図形間の分散共分散行列を導入し、異なった制御点間での分散も考慮に
入れた方法を提案する。
従来の手法と本手法との抽出精度の比較を行ない、本手法での有効性に関する確認を
行なった。