氏名: 押領司 宏 (089530292)

論文題目: ステレオビジョンによって復元された建築物の補正


論文概要

環境問題が注目されつつある近年、新しい建物を建てる場合には都市景観や日照権問 題などその建物が周囲の環境にどのような影響を与えるかを事前にシミュレーション する必要がある。 その方法として、コンピュータグラフィックスを応用した技術が主流になっているが、 この場合,景観をシミュレーションするには周辺の建物を含めて形状を計算機に入力 する必要がある。3D-CADやCGモデラーによる形状入力は多くの手間がかかるため、 ステレオビジョンを用いて建物三次元形状を復元する手法が検討されている。 しかし、この方法では、対応点検出誤りや画像の量子化誤差により正しい形状は 復元できない.

景観シミュレーションでは厳密な寸法は要求されない.たとえば,建物の高さが実際 よりより1m大きかったとしても,ほとんどの場合は気づかずに過ぎてしまう.しかし ,柱が鉛直でないとか梁が平行でないなどの誤りは,すぐにおかしいと分かってしま う.このような幾何的な厳密さは重要であるが,復元された形状にそれを期待するこ とは不可能である. そこで本論文では、建築物に普遍的に見られる、建物各面の直交性、稜線の並行性、 窓や柱の周期性、などの形状ルールを復元された建物に適用し,形状を3次元的に修 正する。提案手法により、分解能が十分でない画像からも景観シミュレーションに耐 える品質の建物形状を取得できた。


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