これまでは人間の顔表情を作る場合、CG、アニメーションにおける画像の合
成
が主であった。このような「モデルに基づく合成手法」においては、顔表情の
微
妙な動きを再現することはかなり困難な問題であった。そこで本研究では、リ
カ
レントネットワークの学習・汎化能力を利用して、実画像データから顔表情時
系
列を自動生成する手法について、その有効性を確認する。
本研究は人間の正面の時系列顔画像をリカレントネットワークで学習させ、
そ
れを用いて一枚(少数)の顔画像の入力から、表情のリアルな時系列顔画像を
生
成することを目的としている。データとして扱うのは、画像より抽出した特徴
点
の位置情報であるので、出力データにテクスチャを貼り付けた形で最終的な画
像
を生成した。
表情のリアルな顔画像を得るには、より精度の高い学習が求められる。顔の
特
徴点の位置データをそのままシミュレータの入力とした場合、扱うシーケンス
の
長さによっては学習が成功しなかった。そこで、この入力データに幾つかの前
処
理を与えることによって学習結果を比較し、時系列表情の生成におけるリカレ
ン
トネットワークの有効性を示した。