親しみやすいユーザインタフェースの実現を目指して、話し言葉入力を漸進的 に処理する手法が提案されている。この手法は、従来の文単位で処理する手法 と比べ、効率的な対話を可能にすることが期待される。しかし、実際の評価 は行われておらず、その評価手法も確立されていない。
本研究では、漸進的処理により即時応答が可能なマルチモーダ ルインタフェースの評価手法を検討し、評価実験を行っ た。本手法では、与えられたタスクに対し、被験者が即時応答するシステム とそうでないシステムを使用した場合の比較を行う。比較項目は、タスク達成に 要する時間、入力単語数、システム使用中の被験者の振舞いなどである。ま た、アンケート調査を通して被験者による評価も行う。 実験は、 話し言葉、ポインティング、キータイプを入力とするマル チモーダルメールツールを用いて実施した。その結果、即時応答可能ツー ルの有効性が明らかになり、評価手法についての知見を得た。