ツリーオートマトンは木構造上の決定問題の解を与える手段として 有効であり、近年、項書換え系におけるいくつかの決定問題の解決 に用いられている。しかしながら、有限ツリーオートマトン(FTA) は有限状態しか持たないため、言語受理能力が制限される。そこで 、本論文では、ツリーオートマトンの自然な拡張としてプッシュダ ウンオートマトンと同様なプッシュダウンスタックを導入すること によって、プッシュダウンツリーオートマトン(PTA)を定義する。 さらに、PTAでは受理されるが、FTAでは受理できない言語Lが存在す ることを示し、PTAの能力が真にFTAの能力を含むことを証明する。