本研究の目的は並列タスク間における同期メッセージの送受信の高速化である。 同期メッセージとは並列タスク間で 各タスク間の同期をとるために送信される。 通常のデータ送信にはデータ以外に多くの付加情報が送信されるが、 同期メッセージは通常のデータと比較して送信される付加情報などが非常に少ない。 そこでこの特徴を利用したメッセージ送信機構を考える。 具体的には各タスクに同期メッセージの受信専用デーモンを設置する。 また、デーモンとタスク間の同期メッセージ通信を共有メモリを介して行なうことで、 余分なネットワーク通信を削減する。これによりネットワーク通信を メモリアクセスに変換することができ、メッセージ送信に必要な時間を短くす る。以上の手法を用いることによりデータ送信を含むプログラム全体の 実行時間を短縮することができる。