視力障害者の歩行を補助する目的で、最近、障害物探知器が種々提案されている。 これらは、コウモリの反響定位をモデルとした方式を用いているが、障害物の定位は、 人の聴覚の音源定位能力に全面的に頼っているので、障害物探知器からの音を 聞くことに注意するために、ほかの刺激への注意力が減退してしまい、かえって、 歩行が危険になるという批判もある。そこで、障害物探知システムで行なう信号処理を、 超音波信号のパターン認識ととらえて、これをニューラルネットワークで行なうことを 提案した。本研究では、このような信号処理に適したニューラルネットワークの構造を、 ハードウエアでの実現方法も含めて検討した。