氏名: 荒井 昇 (089630041)

論文題目: 設計問題における制約の優先順位を考慮した探索手法の研究


論文概要

レイアウト問題やスケジューリング問題のような、計画や設計に関する問題には、 実際の対象の関係やユーザの希望などの様々な制約が数多く存在し、解を見つける 際に組合せ的な探索を行なう場合が多い。

従来の手続き的に記述されたシステムでは、実行の効率が良い反面、新たに制約を 付加する際に他の制約との関係を考慮し、改めてシステムの再構築を行なう必要が ある。また、性質の違う制約が多く存在するため、処理が複雑になるという課題が あった。

本研究ではこの課題を解決し、利用者が理解しやすく、利用しやすいシステムの構 築が目的である。問題として工程計画を取り上げ、その中に使われる制約を分 析・整理し、その処理を行なうための探索技法を提案する。 制約の分析より、制約間の依存を減らすように表現することで、システムの表現 力を向上させ、制約の変更を容易にすることができる。 探索技法に関しては、単純な生成検査法を用いる。 ここでは、探索空間を大まかに絞り込む生成部、絞り込んだ探索空間内で適切 な解を探索する生成部で構成し、この二種類の生成部による探索技法と制約の 記述方法を提案する。これにより、制約間の優先順位を利用者が柔軟に設定でき、 試行錯誤的な処理を分かりやすく記述できる。定型的な処理の優先順位をあげ ることで、探索空間を狭め、処理効率をあげることも期待できる。


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