氏名: 大須賀恭輔 (089630378)

論文題目: 遅延和型ビームフォーマと到達時間差法を用いた音源定位システム


論文概要

近年、原子炉など人の立ち入ることの容易ではない場所への機械の設置が 行なわれている。 そのような場所での機械の管理において、故障音などの雑音の発生箇所を特定する 音源定位システムを提案し、実験を行なった。

従来の遅延和型ビームフォーマでは、限界周波数を超える音が到来した場合、いくつも ピークが現れ、到来方向を特定することができないが、特徴遅延という生体に見られる 能力を使った到達時間差法を使用することで到来方向を特定できる。特徴遅延とは、 フクロウなどに見られる能力で聴覚神経の発火率の時間差に対するカーブが、与えた 音と同じ周期で最大となる。このときに、各周波数の 音に対する反応を正規化し、同一グラフにプロットした時、同一点で発火率時間差 カーブが同じ大きさになる。この点の時間差を特徴遅延という。

そこで、限界周波数以下では、遅延和型ビームフォーマを用い、それ以上の 周波数では、到達時間差法を用いることで高周波域も対応できるようにした。 まず、MATLABにより遅延和型ビームフォーマ、到達時間差法の実装を行ない、 サンプル信号音を計算機上で作成し、正確に実装されているかを確認した。実験には、 二つのマイクロホン、A/Dコンバータ、コンピュータを用いた。実験結果は当日の 発表にて行なう。


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