氏名: 大橋 岳洋 (089630432)

論文題目: ID情報に基づく鍵共有方式の安全性に関する考察


論文概要

近年の著しいネットワーク技術の発達に伴い、情報セキュリティの観点から 暗号技術が注目を集めている。 高速な暗号化が可能である対称鍵暗号方式では、送信者と受信者は あらかじめ鍵を共有しておく必要がある。この共有は安全に行われなければ ならない。このための方式の一つとして、ID情報に基づく予備通信不要な 鍵共有方式 ID-NIKS がある。ID-NIKSでは、各通信者は自分のIDを鍵生成 センタに渡し、センタは受け取ったIDと秘密鍵生成関数により鍵生成用の 秘密鍵を計算して、もとの通信者に返す。こうして得られた秘密鍵と通信相手の IDを共有鍵生成関数に入力することで、暗号通信に用いる鍵を生成し、共有する。 本論文では、ID-NIKSに対する二つの攻撃法を提案し、それに対する安全性を 考察する。まず、Blomの考案した方式において、Merkle-Hellman暗号の 解読法に基づいて共有鍵から秘密鍵を求める攻撃法を示し、共有鍵生成関数の 安全性に関する条件を提案する。さらに、ID-NIKSに対する差分攻撃を定義し、 この攻撃に対する安全性条件を提案する。


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