氏名: 及部 真人 (089630580)

論文題目: 韻律と表情による話者感情の推定


論文概要

 表情は、人と人とのコミュニケーションにおいて、発話とともに様々な情報を担って いる。その中で、特に感性情報は人の感情を表わしており、論理情報のみを用いたイン ターフェイスにこの感性情報を加えることによって、そのシステムは人にとって察しの 良いシステムとなるだろう。近年では、そのような環境が望まれてきている。本研究で は、感情を込めて発話した状態の表情から感情の種類(怒り、喜び、平静)を推定する 手法について提案する。本研究の目的としては、これまで行われてきた音声のみを用い て感情を推定する手法と組み合わせることによる感情の識別率の向上を考えている。 個人差による影響を考えて不特定多数ではなく、特定個人を対象として表情画像サンプ ルを取得した。サンプルの観察により感情によって異なる特徴が見出された。喜びで は眉、目は比較的変化しないが唇の両端が持ち上げられる。怒りでは眉は下がり引き 寄せられ唇はしっかりと結ばれているというように顔全体に変化が現れる。発話を伴 う場合には口まわりにその影響を及ぼすため、発話による影響が少ないと思われる発 話前後の無音期間の表情も利用することにする。これらの観察の結果、感情をよく表 わしていると思われる眉、目、唇から特徴点を選択し、その位置変化を特徴量として 感情を推定する。


目次に戻る


asakura@nuie.nagoya-u.ac.jp