氏名: 木村 直樹 (089630769)

論文題目: 英日機械翻訳のための日本語述部生成に関する研究


論文概要

構文トランスファー方式に基づく機械翻訳システムは、通常、 解析・変換・生成の3つのモジュールから構成される。 このうち、生成モジュールでは、目標言語構造をもとに目標言語文 を作り上げる。 しかし、英日翻訳において、学校文法に基づき日本語述部を生成す る一般的な生成手法を用いた場合、用言や助動詞が活用すること を前提とするため、各形態素の語形を決定する処理が複雑になると いう問題がある。

本論文では、構文トランスファー方式に基づく英日機械翻訳のた めの、派生文法を用いた日本語述部生成手法を提案する。 派生文法では日本語述部を、活用という語形変化としてではなく、語 幹への接尾辞の接続として記述する。 そのため、活用処理が不要となるとともに、形態素の接続に関する規 則も単純となり、述部の生成が容易になる。 本手法では、英日翻訳の変換処理で作成する日本語構造として依存 構造を採用する。 日本語依存文法の係り受け制約に従って語順を定め、派生文法の形 態素接続規則に基づき述部を作り上げる。 本手法を計算機上にインプリメントし、EDR電子化辞書英語コーパスを 用いて翻訳実験を実施し、その実現可能性を確認した。


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