氏名: 杉山 淳 (089631048)

論文題目: 実内視鏡と仮想化内視鏡との位置合わせにおける類似度の比較・検討


論文概要

本研究では実内視鏡像と仮想化内視鏡像の類似度に関して比較・検討を行う。 実内視鏡と仮想化内視鏡システムを融合した医用内視鏡ナビゲーションシス テムは、医師に対して仮想化内視鏡でしか得ることのできない情報を実内視鏡 に提示するシステムである。このシステムを実現するためには、実内視鏡のカ メラ動きを推定する必要がある。通常、内視鏡の先端位置を直接測定すること は難しい。そこで、実内視鏡像に最も類似した仮想化内視鏡像を生成するため に観察位置・方向の組を求める。これをここでのカメラ動き推定とする。この ためには二つの画像(実内視鏡像と仮想化内視鏡像)の類似性を評価する関数 を設定しなければならない。類似性の評価は、実内視鏡と仮想化内視鏡の濃度 値の集合を評価関数で比較する。二つの画像間の類似性を評価する関数として 相互情報量、平均二乗誤差、相関係数、一致度を取り上げ、カメラ動き推定処 理で用いることにより評価を行った。 実験は実内視鏡として気管支鏡を用いた。目視により判定した結果、平均二 乗誤差、相関係数、または複数の類似度を組み合わせた場合、気管支分岐部で の位置合わせは高い精度を示した。しかし、相互情報量、一致度を用いた場合、 気管支内部の分岐のない箇所、気管支内部に泡の含まれる箇所、気管支の壁面 付近に内視鏡カメラが近付いた箇所は、実内視鏡と仮想化内視鏡の位置合わせ が困難であると確認された。


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