氏名: 平岩 裕康 (089631536)

論文題目: 視覚障害者用環境理解支援システム


論文概要

福祉社会が叫ばれている今日、視覚障害者の社会復帰のために失われた視覚の機能を補う 視覚代行システムの実現が望まれている。

 本研究では、小型化・高性能化されたノート型パソコンと、コンピュータビジョンのソフ トを利用して、視覚障害者が周囲環境を理解するシステムを研究・開発する。  視覚障害者が周囲環境を理解する上で必要な情報としては、窓・廊下・通路の方向、ドア の位置、存在する物体などいろいろ考えられるが、本研究では有用な情報である文字列の抽 出を行った。

 この方法は、まずカメラから静止画像を撮影し、256階調のグレースケールに変換した後、 画像の輝度を明るさとして得て、画像を16×16画素の領域に分割して、分割された領域の 輝度値の標準偏差がしきい値より大きい場合に、その領域を文字候補とする。候補となった 領域の中には文字以外の部分も存在するので、文字領域のみを抽出するために、文字候補領 域に3×3のSobelフィルタをかけて物体の輪郭線を抽出し、輪郭線の追跡により各物体の境界 線で囲まれた領域のx,y座標の最大値と最小値を求め、これらの座標から各対象物体の外 接方形を抽出する。抽出された外接方形のアスペクト比が2/3〜3/2で、かつ外接方形内の輝 度ヒストグラムに双峰性があり、外接方形のサイズが25×25〜120×120画素の範囲のものを 文字と判断することにした。以上のようにして抽出した文字情報を音声化して被験者に伝える。

 実画像を用いた実験結果、処理速度、情報提示方法などについては、発表当日に説明する。


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