本論文では、仮想胃展開像作成に必要な展開基準図形の新たな生成手法を提案する。 従来の展開基準図形生成手法では、抽出した胃内壁面を表している三角形パッチを削減し て展開基準図形を生成している。しかしこの手法では、胃のひだ情報をすべて削除してい るとは限らず、適切な展開基準図形が生成できない場合があるという問題が生じた。 したがって、本研究では展開基準図形の生成手法を改良することによって、より適切な展 開基準図形を生成し従来の問題点を改善する。 提案手法の手順は胃内壁面を滑らかにするため、３次元腹部ＣＴ像の縮小画像をし、それ に図形融合処理を施す。得られた画像から胃内壁面を抽出し、胃内壁面データを元の大き さに拡大する。そして、改良した三角形パッチ削減手法を適用し、展開基準図形を生成す る。 本手法を実際の３次元腹部ＣＴ像に適用して仮想胃展開像を作成した結果、従来手法より 良好な胃のひだの形状を観察できることが確認できた。