本研究では、HTML形式に変換されたソースプログラム上において位置情報の喪失を防ぐためのツールを作成する。
一般にハイパーテキスト形式で書かれた文書を読解する際には、文書内のある語句と他の語句とを関連づけたリンクをたどることによって、文書内の参照を容易にし、読解の効率をよくしている。しかし、リンクを幾つもたどって行く間に、注目している部分の前後関係が分からなくなってしまうことがある。
そこで、本研究では、HTML形式に変換されたソースプログラムを読解する際、リンクをたどった時に位置情報を失うことを防ぐことを目指す。このために、ソースプログラム上へ印をつけ、印の部分へのリンクを提供する機能、たどったリンクの履歴を表示する機能を提案する。前者では、ユーザ自身がソースプログラム上へ情報を残し、基準となる位置を新たに作り出す。後者では、現在注目している部分への到達過程から、現在位置の情報を得る。これらにより、HTML形式に変換されたソースプログラムを読解する際に位置情報を失うことを防ぐことができる。