本研究では、ガラス面上を水滴が流れる様子をリアルに表現する手法を提案する。 水滴の運動については，従来の重力と摩擦による移動手法を，移動方向の多様化，速 度による移動方向の制御の点で拡張する．また，水滴の形状は，これまでの研究の成 果をふまえて，２次元のメタボールで表現する．これにより，水滴が形を変えながら 流れる様子や，水滴が融合・分裂する様子を表現できる。 水滴が流れてから一定の時間が経過すると，その場所の水滴は半球に近い形に変化 する．このような，移動を伴わない水滴形状の変化を表現する手法についても検討す る。また，従来手法では水滴の初期速度や位置をランダムに決めているためガラス面 上の水滴分布の偏りを表現しきれていない．本研究では，ひさしの位置や風の強さな どを考慮して実際に近い初期値を設定する手法を提案する．