氏名: 松元 秀智 (089631749)

論文題目: 多項式近似に基づく係数逐次生成型三角関数計算ハードウェアアルゴリズム


論文概要

三角関数の計算法の一つに、区分多項式近似法がある。区分多項式近似法は、 入力の定義域を区間に区切り、各区間ごとに近似多項式を定め、関数値を積和 演算の繰り返しにより計算する。多項式の係数は、入力の上位数ビットをイン デックスとするテーブル参照等で求めればよい。区間を小さく区切るほど、多 項式の次数を小さくできるが、参照すべきビット数が大きくなりテーブルのサ イズが大きくなる。本論文では、正弦および余弦をTaylor展開に基づく多項式 で区分近似し、多項式の係数を逐次生成して多項式の計算を行うハードウェア アルゴリズムを提案する。m次の多項式で近似する場合、m次お よびm-1次の係数のみをあらかじめ用意し、m-2次以下の係数は 逐次生成する。i(≦ m-2)次の係数は、i+2次の係数に小さな 整定数を乗ずることで得られる。整定数の乗算は簡単な回路で、積和演算と並 列に行う。この方法により多項式の係数のためのハードウェア量を大幅に削減 できる。


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