氏名: 渡会 大徳 (089632133)

論文題目: モデレーショニズムに基づく歩行ロボットの自律分散的歩容獲得


論文概要

 自律分散システムは、複数のサブシステム間の局所的な相互作用を通して、システ ム全体として合目的的な挙動を発現させる制御手法であり、耐故障性、適応性、拡縮 性等の優れた特徴を有している。しかしながら、システム全体として合目的的な挙動 を発現させるような、各サブシステム間での相互作用の仕方を決定する明確な設計指 針は、未だ存在しないのが現状である。

 一方、生物は究極の自律分散システムと言っても過言ではなく、工学的にも多くの 有益な示唆を与えることが期待できる。そこで、本研究では上記の問題の解決を目指 し、生体内情報処理機構を参考にした自律分散システムの制御法の確立を目的とする。  生物は、膨大な数のサブシステムから構成されるが、最近これらのサブシステム間 の相互作用の合目的的な統制がいかに行われているのかに関して、モデレーショニズ ムと呼ばれる仮説が提唱された。これは、生体内サブシステムは環境に適応したかど うかを何をもって判断するかという点に注目した仮説である。

 本研究では,このモデレーショニズムに着目し、各サブシステムの自発的行動がシ ステム全体としての機能発現を促すことを歩行ロボットの自律分散的な歩容獲得に対 応させ、それを実現する手法を提案する。


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asakura@nuie.nagoya-u.ac.jp