氏名: 内田 剛二 (m05757)

論文題目: 数値等角写像における第1種Fredholm積分方程式の数値解法とその収束性について


論文概要

本研究では, 等角写像を構成するときに登場する第1種 Fredholm 積分方程式 の数値解法と標本点数を増やしていったときの収束性について第2種 Fredholm 積分方程式との関連から論ずるとともに, 積分方程式の数値解をどのように等 角写像函数の数値計算に利用するかについて述べる.

複素平面内の原点を含み滑らかな境界を持つ有界単連結領域を単位円板に等 角写像する函数を求める問題を考える. この写像函数は第1種 Fredholm 積分 方程式の解を用いて構成できる.

この積分方程式の積分核は対数特異性を持つがその特異性を持つ部分を分離 することにより特異性の問題を回避することができ, (I-T)x=b のような恒等 作用素 I を持つ線型方程式にすることができる.

この線型方程式の 標本点数 N を大きくしていったときの収束性は写像領域 の境界の滑らかさと関係がある. 特に境界を与える函数が解析函数のときは等 比数列的に減衰する.

積分方程式の解は有理函数補間をとおして, 計算の容易な代用電荷法に結び 付けることができ, さらに最適な電荷点を自動決定することができる. この代 用電荷法と組み合わせる方式では精度を落とさずに写像函数を計算できる.


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