氏名: 佐藤達広 (m05765)

論文題目: リアクティブシステム記述のための時相論理プログラミング言語の設計に関する研究


論文概要

リアクティブシステムは,外部環境との間で継続的に相互作用を行なうことを 目的とするシステムである.化学工場のプラント,座席予約システムや通信シス テムはその具体例である.本研究では,リアクティブシステムの記述に適した時 相論理プログラミング言語を設計した.時相論理プログラミング言語は,古典論 理に時間の概念を導入した時相論理の論理式をプログラムとし,その式を満足 する状態系列(モデル)の構成を実行と捉える.従来の時相論理プログラミング 言語の多くは,リアクティブシステムの記述を指向した設計がなされていない ため,必ずしもその記述に適しているとは言えない.本言語では,リアクティブ システムの実行の観点から,論理式のモデルをシステムの状態変化に対応させ, その個々の状態を時間的順序に沿って逐次的に生成する機構を持つようにした. さらに変数の明示的な宣言を導入することにより,状態生成の際に代入操作が 指示されない変数に対して前の状態での値を保たせる変数値の保存機構を実現 した.一方リアクティブシステムのモデル化の観点からは,システムを特徴付け る要素である通信,並列動作,非決定的動作及び停止しない計算の記述を可能と した.


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