氏名: 杉浦琢磨 (m05766)

論文題目: 具体的なネットワークに対するセルフヒーリング方式導入についての検討


論文概要

通信ネットワークにおける伝送路故障は、近年の高度情報化社会において重 大な問題である。さらに、ATM網ではセル多重により多様な情報を一つの回線 を利用して伝送する事ができる。これは、単一伝送路故障の影響が多数の加入 者に波及し、単位故障時間あたりの損害が増加する事を意味している。この傾 向は、今後も変わらないと考えられる。従って、ネットワークの信頼性に対す る要求は、今後もますます厳しくなると考えられる。 そのため、伝送路故障を自動的に復旧するセルフヒーリング技術が注目され ている。本研究ではこのセルフヒーリング技術を、具体的に中部電力のネット ワークに対して導入する事を考え、その効果を検討した。 このネットワークは、将来ATM網に移行することから、ATMの特徴を利用した セルフヒーリング方式を使い、シミュレーションによる効果の判定を行なった。 その結果、探索メッセージを放送するFlood-Connecting方式より、故障復旧VP 予約方式の方が高速である事が分かった。しかし、多重故障への対応に対して は、Flood-Connecting方式に比べ、VP予約方式は柔軟に対応できない。そのた め、ある程度余剰な予約迂回路を設定をする必要がある。
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