氏名: 中野寿 (m05770)

論文題目: Dempster-Shafer理論を用いた画像の領域分割


論文概要

論文要旨 人の視覚では, 画像を認識することと, 画像を部分領域に分割すること は, 互いに相補的であり, その処理は双方向的に行われている. 本論文 では領域分割の代表的な手掛かりとして, 領域の妥当性, 境界の妥当性, 輪郭形状の妥当性をあげ, これらの手掛かりを統合した領域分割方法を 提案する. はじめに, それぞれの手掛かりについて妥当性を評価する関数を定義す る. 領域の妥当性は, 濃度の平均と残差分散を用いた赤池の情報量規準 により評価する. 境界の妥当性は, 境界の濃度勾配に対してファジーメ ンバーシップ関数で関係付けられたエッジらしさにより評価する. 輪郭 形状の妥当性は形状の複雑さにより評価する. 方針としては, あらかじ め最小分割した領域にこれらの関数を適用し, あいまいな情報の記述や 処理に能力が高いDempster-Shafer理論を用いて統合する. 本来, 基本確率を与える識別集合として画像中の全ての領域の組合せか らなる分割を考えるべきであるが, この場合には演算量が爆発してしま う. そこで, まず, すべての隣接2領域について, ``合併すべき''と`` 分割すべき''を識別集合として, 演算量が爆発しないよう評価を行なう. 得られた結果を基に分割の候補を求めることができ, 分割候補を識別集合として, 複数領域の関係に発展できる.
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