本研究での目的は、シーンからの対象物体の抽出である。これは、あるシーンから興味ある対象物体を 探索し、輪郭を抽出しようとするものである。これについても多くの研究がなされており、さまざまな 特徴を用いて対象物体の識別を行なっている。しかし、現在の画像処理技術で完全に対象物体の識別を 行なうことは困難であり、それらの研究のほとんどは、人間が領域を何らかの形で指定する半自動抽出 である。本研究では、まず領域分割を行なって画像の記述を行ない、その分割結果を基に、対象物体に 対する知識を用いて識別、抽出する手法を提案する。
さらに、本研究では、物体の正確な輪郭を抽出するため、エネルギー最小化原理を用いた動的輪郭モデル (SNAKES)を使用することを試みた。これまで提案されてきたSNAKESでは、SNAKEが収束すべき輪郭のすぐ 近くにないと収束しなかったが、本研究でのSNAKEはかなり離れた地点からの収束が可能である。