氏名: 原 義明 (m05774)

論文題目: カラー画像の領域分割と輪郭抽出


論文概要

コンピュータビジョンの研究においては、シーンを完全に記述し、理解することが重要である。 本研究では、領域分割を行なってシーンの記述をする。カラー画像の領域分割に関しては、 多くの研究がなされている。これらの研究では様々な特徴量を使ってクラスタリングを行なっており、 その手法は基本的に同じである。本研究では色差を基にクラスタリングを行なっているが、 その手法を改良し、粗いスケールと細かいスケールとの2種類のクラスタリングを組み合わせて 用いることによって、多くのカラー画像において良好な分割ができるようにしている。

本研究での目的は、シーンからの対象物体の抽出である。これは、あるシーンから興味ある対象物体を 探索し、輪郭を抽出しようとするものである。これについても多くの研究がなされており、さまざまな 特徴を用いて対象物体の識別を行なっている。しかし、現在の画像処理技術で完全に対象物体の識別を 行なうことは困難であり、それらの研究のほとんどは、人間が領域を何らかの形で指定する半自動抽出 である。本研究では、まず領域分割を行なって画像の記述を行ない、その分割結果を基に、対象物体に 対する知識を用いて識別、抽出する手法を提案する。

さらに、本研究では、物体の正確な輪郭を抽出するため、エネルギー最小化原理を用いた動的輪郭モデル (SNAKES)を使用することを試みた。これまで提案されてきたSNAKESでは、SNAKEが収束すべき輪郭のすぐ 近くにないと収束しなかったが、本研究でのSNAKEはかなり離れた地点からの収束が可能である。


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