氏名: 水野博昭 (m05779)

論文題目: 図形要素配置モデルおよびそれに基づく作図支援ツールに関する研究


論文概要

 一般に、計算機を用いて図を描く場合、いくつかの図形要素が用 意された汎用の作図ツールを用いる。しかし、ソフトウェアの開発 工程で行なう、流れ図、オブジェクトモデル図などの作図では、長 方形や楕円などの図形要素(図形部品と呼ぶ)を線の図形要素(線部品 と呼ぶ)で結ぶ、対象概念やその関係などを表現した図を描くことが 多い。そして、汎用的な作図ツールを用いてこのような図を描くと きには、図形部品の並びや図形部品間の間隔といった図形部品の配 置に関する操作が必要であり、この操作は利用者の負担となる。
 そこで本研究では、作図支援のために、描きたい図の種類や利用 者の好みに合わせて図形部品を配置するための図形要素配置モデル を提案する。モデルでは質量、バネ、摩擦力などの力学的な要素を 取り入れ、力学的な方法で図形部品間の距離の制御を行なう。また 、図形部品間の関係を明示的に指定する方法もモデル上で実現し、 さらに、汎用的な作図ツールを特定の図を描くことを目的とした作 図支援ツールにカスタマイズする方法を示した。そしてモデルに基 づいた作図支援ツールのプロトタイプを作成し、その動作から図形 要素配置モデルの評価を行なった結果、簡単な操作で図形部品の配 置や図の修正が可能であることを確認できた。
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