氏名: 柳沢 直志 (m05781)

論文題目: 群対称性を用いた周期パターンの分岐現象の解析


論文概要

多発振器系において形成される周期パターンが、パラメータの変化とともにどのように分岐していくかを知ることは、その系の性質を知るうえでとても重要なことである。たとえば歩行動物においては、移動速度と共に歩き方を変えるのだが、異なった歩行パターンの間の推移は、それぞれの歩行パターンに対してそれが持つ対称性が破壊されていく分岐現象と見ることができる。ここでは、連続に変化する移動速度に対し、歩行パターンの方はウォーク、トロット、ギャロップと質的に、また不連続に変化していくのだが、これは移動速度をパラメータとした分岐現象ととらえることができる。これを複数の発振器を連結し、自律分散システムの考え方を用いて相互作用させたモデルで考えた。またこれまでも、分岐現象の解析は数多く行われてきたが、一般的には非常に難しい問題で解明されていないことも多い。そこで本研究では、なんらかの対称性が系にはたらく際の群作用素と微分方程式系との関係から、その対称性から分岐現象の一般性が議論できることを検証し、さらに周期パターンの持つ群対称性に着目し、分岐現象がパターンの対称性を破壊する際に、どのような対称性が保存 され、また破壊されていくかという観点
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